退職を考え始めた頃から、急に気持ちが沈む、眠れない、仕事を考えると動悸がする──そんな「うつ状態」を経験する人は少なくありません。退職をめぐるストレスや職場環境の悪化は、心のエネルギーを大きく消耗させます。
ただし、うつ状態のまま判断を急いでしまうと、後悔につながるケースがあります。まずは「休むべきか」「退職すべきか」を冷静に判断できる状況を整えることが大切です。
この記事では、退職前にうつのような症状が出たとき、どのように行動するべきかを詳しく解説します。
1. まずは自分の状態を正しく把握する
うつ状態は、次のようなサインが複数あれば可能性が高いと言われています。
- 朝起きられない、気分が重い
- 眠れない、熟睡できない
- 強い不安感・焦燥感がある
- 食欲が極端に減る、または増える
- 集中力が低下し仕事のミスが増える
- 涙が出る、感情が不安定になる
- 「消えてしまいたい」という気持ちが一瞬でもよぎる
これらが複数当てはまる場合、心身が限界に近いサインです。まずは「休息」が優先です。
2. 仕事を続けるのは危険──まずは休む選択を
うつ状態で働き続けるのは非常に危険です。症状が悪化し、長期の療養が必要になるケースもあります。
もし次のような状態なら、まずは休職・有給消化などの「休む選択」を検討しましょう。
- 出勤すること自体がつらい
- 涙や動悸で業務ができない日が続く
- 朝になると体が動かない
- 仕事のことを考えると極度の不安を感じる
うつ状態では、正確な判断力や意欲が低下し、「辞めたい」という気持ちがさらに強く感じられることがあります。まずは心身が回復した状態で、改めて退職を考えることが大切です。
3. 症状が続くなら医療機関を受診する
1〜2週間以上改善しない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、心療内科・精神科の受診を強くおすすめします。
医師の診断によっては、以下のような対応が可能です。
- 休職のための診断書を発行してもらえる
- 薬や心理療法で症状の改善が期待できる
- 会社とのやり取りを最小限にできる
診断書があれば「休職」が可能となり、休んでいる期間も給与の一部(傷病手当金)が支給されるケースがあります。
4. “休職”と“退職”どちらが良いのか?判断基準
■休職を選ぶべきケース
- 体調を整えてから改めて働きたい
- 会社には大きな不満がない
- 休めば働ける見込みがある
- 傷病手当金を受けながら休みたい
休職は「退職を決断しなくて良い」点が大きなメリットです。判断能力が落ちている時期に、重大な決断をしなくて済みます。
■退職を選ぶべきケース
- パワハラ・いじめなど原因が職場環境にある
- 復帰後も同じ環境で働くことが想像できない
- 上司や同僚との関係が壊れている
- 職場の構造的な問題で改善が見込めない
- 出勤を考えるだけで強い動悸・吐き気がある
ストレスの根源が「会社そのもの」にある場合、休職で回復しても復帰した途端に再発する可能性が高く、退職を選ぶほうが健康的なケースも多いです。
5. 判断に迷うなら専門家へ相談する
うつ状態では、正しい判断が難しくなります。迷うときは次のような専門家の助けを借りましょう。
- 医師(心療内科・精神科)
- 産業医
- 公的な相談窓口(自治体・労働局など)
- 家族・友人などの身近な人
「一人で判断しよう」と無理をする必要はありません。第三者の視点は、あなたの負担を大きく減らします。
6. 退職すると決めた場合の安心できる方法
うつ状態が重く、退職の意思を伝えることが難しい場合は、無理をせず以下の方法を選べます。
- メールだけで退職を伝える
- 家族に代わりに連絡してもらう
- 診断書で出勤を停止する
- 退職代行を利用して手続きを任せる
うつ状態では対面での話し合いは負担が大きいため、安全に辞められる方法を選ぶことが大切です。
7. まとめ
退職前にうつ状態になったときは、「今すぐ決断すること」よりも「まず休むこと」が最優先です。心身の回復後に改めて退職を考えても決して遅くありません。
休職で回復できるなら休む、環境そのものが原因なら退職を選ぶ。どちらが正しいかは人によって異なりますが、あなたの健康が最優先であることに変わりはありません。
無理をせず、必要なら医療機関や専門家の力を借りながら、心身を整えて次のステップへ進んでいきましょう。
